後遺障害1級 1億2000万円の示談金を獲得できた事例

1.事故発生
個人商店を経営している40代の男性が、真夜中、幹線道路を横断中交通事故に遭いました。
交通事故当時、被害者の男性はお酒を飲んでいたため、過失が否定できない状況でした。
交通事故後、病院に搬送された際、意識はありませんでしたが、しばらくして覚醒し、四肢は動くものの、意識障害が残りました。
簡単な言葉は理解できますが、会話をすることは難しく、意味のある行動ができなくなりました。
2.依頼・相談の経緯
経営者であったが被害者男性が就労不能となり、将来の介護・治療や生活に不安を感じた遺族の方から相談が寄せられました。
3.当事務所の活動
成年後見手続き行いましたが、医師の診断では、「意識があり、意思能力がないとはいえない」という診断結果が出たため、当初、後見は難しいという見解でした。
そして、最初に入った病院は3ヶ月で、奄美大島の病院に転院したため、本人の状況が確認しにくく、なかなか請求を確定できない状況でした。
また、経営していた個人商店が確定申告をしばらく赤字で計上していたため、裁判をおこなった場合には、「もともと赤字だから、交通事故によって営業上の損害が発生していない」という反論が出されることが予測されましたので、裁判ではなく、裁判前の交渉で解決がのぞまれた交通事故の事件でした。
加えて、今回の事案のような高度な後遺症の場合、市町村役場に申請すれば、自治体から治療費の補助が出されていたのですが、この治療費の補助の性質が、裁判のうえでは、大きな論点となってくることが予測されました。
以上を踏まえた判断として、弁護士は、この交通事故事件は、裁判ではなく、和解交渉で解決した方が、被害者にとっては、有利な結果になるだろうと考えました。
4.当事務所が関与した結果
自治体方の補助金に関しては、すでに支給された公的扶助の控除は認めたものの、将来はないものとして申請し、将来発生分の保障は認められました。
また、確定申告については、交通事故が発生した年度の確定申告書は黒字決算で提出させました。
そして、争点であった過失割合は飲酒していた背景を加害者側の代理人に指摘され、加害者5:被害者5を主張されましたが、当事務所は加害者6:被害者4で申請し、最終的に遺族感情も加味した結果、被害者過失は35%で決着がつきました。
自賠責保険で4000万円を受け取っていましたが、これに加えて、任意保険会社から、4000万円を受取り、合計8000万円を獲得しました。
5.解決のポイント
今回の解決は将来の医療費でした。
普通であれば自宅介護となる状態でした。
ただ、この件の場合に、被害者は呼吸に問題がありましので、自宅介護が不可能な状態でした。
ですので、自宅介護ではなく、今後、継続的に病院に入院するという前提での損害賠償請求をおこないました。
そのため、入院費を損害として計算しました。
今回の場合には、過失割合の問題もあり、自営業で赤字決算で確定申告をしていた、という問題もあり、地方自治体の出している治療費の補助のあつかいもある、ということで、裁判をした場合には、被害者にとって不利な結論となってしまう、ということが予測されました。
ですので、高松の弁護士としては、裁判を回避して、なるべく被害者が有利になるように、和解交渉で解決をはかりました。
高松の弁護士の、知識と経験にもとづいた、柔軟な判断によって、被害者は、早期に、有利な結果を得ることができた、と思います。