骨折・器具装着した場合





さまざまな骨折

 交通事故では強い衝撃が身体にかかるため、意外と骨折を負うことが多いのです。

骨折にもさまざまな種類があり、

1.単純骨折(閉鎖骨折) 折れた骨が体内にあり、1か所折れている状態。 折れた骨同士のずれが小さいようであれば、接合するようにして外部から固定し、自然治癒を待ちます。

2.開放骨折(複雑骨折) 折れた骨が身体から露出している状態。

3.圧迫骨折 圧力がかかり骨折したもの。特に脊椎で起きることが多い。

4.はく離骨折 腱や靭帯が大きく引っ張られ、腱や靭帯が切れなかったものの、腱や靭帯がくっついていた骨の方が耐えられず折れてしまった状態。

5.粉砕骨折 強い衝撃により骨が1カ所で無く、複数個所骨折しバラバラとなった状態。

骨折の中では重度の骨折状態で、そのままで完治することは少なく、外部からの固定やボルト・プレートなどの固定手術、偽関節の手術が行われる。

 

骨は再生する!

骨折の場合、単純骨折がまず浮かびますが、交通事故では大きな衝撃が加わるため、単純骨折以外の骨折が多いです。

また、単純骨折以外の骨折では、手術と言った外科的処置が行われます。

骨は新陳代謝が活発な細胞からできており、骨細胞を破壊しつつ新しい骨細胞が生まれるのを繰り返しています。

そのため、単純骨折で折れた骨同士をくっつけるよう固定すると、断面から新しい骨細胞が生まれてきてお互いがくっつき、骨折が治ります。

その旺盛な再生能力を利用して、わざと足を骨折させて骨同士を少し開けて固定して骨折を治すのを繰り返し、身長を伸ばす手術もあるくらいなので、いかに骨細胞が再生しやすいかわかります。

とはいえ、間が離れすぎている場合には骨がくっつきませんし、ずれて骨を合わせてしまうとずれたまま骨がくっついてしまいます。

複雑骨折の場合には骨がバラバラになっているため、全ての骨を元の位置に戻さなければいけませんが、細かく骨折しすぎて修復が不可能であるため、人工骨・人工関節に交換しなければいけないケースもあります。

骨同士がくっついたとしても、強度的に問題がある場合には、プレートやボルトを骨に装着することがあり、将来的に再手術で交換が必要なこともあります。  

骨折の治療方法について

骨折によりプレートやボルト、人工骨、人工関節による治療が必要なケースは、交通事故ではままあるのですが、詳しく説明してみます。

1.プレート 骨と骨を金属の板でつなぐ。 骨にプレートを固定する際は、釘状の金属を撃ちこむ。

2.ボルト らせん状の溝がついた金属釘で、プレートを固定したり、骨同士を固定したりする。

3.人工骨・人工関節
セラミックやハイドロキシアパタイトで作られた人工の骨。
その人工の骨を用いて関節を作り、損傷した関節と取り換える。 プレートやボルト、人工骨、人工関節と聞くと、元の骨より劣っている印象を受ける方もいるかもしれませんが、そうでもありません。

骨粗しょう症などで骨の強度が低い患者ならば、これらの装具を使った方が強度が上がる可能性が高いです。

そもそも、重度の骨粗しょう症などの場合、プレートなどを装着させようとしても強度が足りず骨が折れてしまうため、元の骨にある程度の強度がなければ装着することが出来ません。

プレートやボルトを装着した場合、そのまま一生装着し続ける場合と、除去、もしくは交換する場合があります。

プレートやボルトは金属で出来ているため、長期間の装着が可能です。

そのため、一生涯装着する方もいますが、一方で患部が治癒したためにプレートなどの必要性がなくなり手術にて除去する方もいます。

また、装着したものの不具合があり、一旦プレートやボルトを取り除いて新しいものに交換することもあります。

どのケースでも外科的手術が伴うため簡単に行えないので、医師の診断が必要となります。  

 

日常生活への影響

 


装具・器具の装着によって、日常生活に影響があるケース

交通事故で骨折を負い、プレートやボルト・人工骨・人工関節などの器具を装着した場合に、日常生活に支障が出る場合があります。

プレートやボルト・人工骨・人工関節などの手段がとられる時点で、骨に対しての不具合が生じているため、患部に対しての違和感を覚える方が多いです。

自分の体の中に人工物が入っているので、違和感を覚えるのはある意味自然なことです。

『常時痛みがある』

『常時むずがゆさを感じる』

『患部が重だるく感じる』

『ボルトを入れたところが麻痺をしている』

『動かすと痛みを感じる』

『動かすと筋肉の突っ張りを感じる』

『プレートを入れたところが冷えたように感じる』

『ボルトを入れたところが熱を持っている』

と、様々な違和感を覚える方がいるのですが、単なる違和感だけで動かすことに支障がないのであれば良いのですが、中には体に支障が出る黄色信号の物もあります。

痛みがある原因は複数あり、
『プレートやボルトが神経に当たっている』、
『プレートやボルトが筋肉や血管に当たっている』、
『プレートやボルトで筋肉や血管が傷つき、炎症や感染症を起こしている』などがあります。

特に炎症や感染症を引き起こしている場合には、痛みのほかに熱や患部の腫れ、皮膚の色が赤紫色(内出血を起こしている色)に変色などを伴うため、いつもよりも違う痛みや腫れを感じた場合には、診察を受けるようにしましょう。  

 

ボルト・プレートによる身体への影響


筋肉がつっぱったり、重だるく感じたりする場合には、神経にボルトなどが当たっていたり、圧迫されていることが原因であることもありますので、ボルトの位置を変える、ボルトやプレートを除去する手術を受けると快方に向かい事もありますので、これも医師の診察を受けた方が良いでしょう。

ボルトやプレートを入れた付近が冷たくもしくは熱く感じる場合には、神経障害が疑われます。

ボルトやプレートは金属であることが多いため、冷たく感じる人が多いのですが、熱く感じる人もいます。

ボルトやプレートが神経に干渉をして冷たく感じている場合もあるのですが、血行障害を起こしていて実際に患部が周辺より冷たくなっているケースもあります。

反対に炎症を起こしている場合には熱を持つため、普段から患部の温度に注意を払った方が良いでしょう。

まれに起こるのが金属アレルギーです。

プレートやボルトに使われる素材は、アレルギーが出にくい物が使われますが、100%アレルギーが出ないと言いきれません。

「ステンレスアレルギーがあるので、ステンレス素材は使わないでください。」と自分のアレルギーを自覚しているのであれば良いのですが、アレルギーを持っていることを知らなかったり、年齢を重ねてアレルギー体質に変わった場合は要注意です。

「最近、身体にかゆみが出たり、熱が出ることがあるけれども、原因が分からない。」と思っていたら、体内に装着したボルトやプレートによるアレルギー反応だったということもあります。

MRI検査が受けられない、という問題も。


副次的な支障として、MRI検査が受けられない、もしくは限定される点です。

MRIは磁気を利用して、体内の状況を画像化する検査です。

金属は磁気に反応するため、もしMRIを受けてしまうと金属が熱を帯び、体内で火傷を負うことになります。

しかし、MRIを取りたい個所と離れている場合だったり、素材がチタンである場合には危険度が低いとみなされて、撮影が行われることもあります。

レントゲンやCTは放射線を使っての検査であるため、基本的には検査を受けることができますが、金属は放射線透過が著しく落ちるため、真っ白に映ります。

ボルトやプレートの状態を見るためのレントゲンやCT検査ならばよいのですが、周辺組織の状況は著しく確認しづらくなります。

そのため角度を変えての撮影が必要となる事が多く、身体の負担が増えることになります。

骨折で器具装着した場合の後遺障害認定について

 


人工関節を入れた場合には後遺障害になりやすい


交通事故の骨折による後遺障害は、『部位』を『骨折の程度』もしくは『骨折により機能不全に陥ったか』で、後遺障害等級が大きく変わります。

骨折で器具装着するケースは、複雑骨折でプレートやボルトを入れたり、関節部分ならば人工関節に変えたと言ったケースです。

ボルトやプレート・人工骨や人工関節の装着手術をする必要がある段階で、後遺障害があると認められることがほとんどです。

交通事故の受傷による骨折で障害が出た場合、後遺障害認定の要件は、細かく条件付けされています。

しかし、骨折による装具による障害の場合、装具装着のみの障害に関しては限定的で、骨折による機能障害や継続的な痛みなどの神経症と合わせて後遺障害認定がなされることが多いです。

具体的な後遺障害の等級

第1級(自賠責保険金額3000万円)
・両上肢の用を全廃したもの
・両下肢の用を全廃したもの

第5級(自賠責保険金額1574万円)
・一上肢の用を全廃したもの
・一下肢の用を全廃したもの

第6級(自賠責保険金額1296万円)
・一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
・一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの

第7級(自賠責保険金額1051万円)
・一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

第8級(自賠責保険金額819万円)
・一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
・一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
・一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
・一上肢に偽関節を残すもの
・一下肢に偽関節を残すもの

第9級(自賠責保険金額616万円)
・一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
・一足の足指の全部の用を廃したもの

第10級(自賠責保険金額461万円)
・一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
・一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
・一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
・一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

第11級(自賠責保険金額331万円)
・脊柱に変形を残すもの
・一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの

第12級(自賠責保険金額224万円)
・鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
・一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
・一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
・長管骨に変形を残すもの
・一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
・一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
・局部に頑固な神経症状を残すもの

第13級(自賠責保険金額139万円)
・一手のこ指の用を廃したもの
・一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
・一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの

第14級(自賠責保険金額75万円)
・一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
・一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
・局部に神経症状を残すもの (長管骨とは、大腿骨や脛骨など細長く、骨格において比較的大きな骨を指す)


骨折の後遺障害の注意点

骨折による器具の装着に関しては医師による確認が出来るため、争点となることはほぼありません。

しかし、ボルトやプレートを装着したことにより、可動域が狭まったり、痛みが生じていると言った証明を医師の診断において証明しなければいけません。

完全麻痺と言った場合は医師も診断を下しやすいのですが、軽い麻痺や痛みなどは
第12級の『局部に頑固な神経症状を残すもの』、
第14級の『局部に神経症状を残すもの』に該当するケースが多いです。

神経症状に関する障害に関しては、骨折の器具装着との因果関係が立証できないと認められないケースもあるため、後遺障害認定の手続きを取る際には注意が必要です。

また、症状固定後にボルトやプレートを除去する手術(抜釘)の予定がある場合も要注意です。

抜釘手術が行われるということは、骨折自体は治癒しており、抜釘手術により麻痺や痛みなどが軽減すると考えられるからです。

そのため、後遺障害等級が低く認定される危険性があります。

さらに、症状固定後の治療費は自己負担となります。 金銭的に納得が出来るのであれば自己負担でも良いですが、抜釘手術まで行ってから症状固定をし、その後に後遺障害認定を受けるのが無難と言えます。


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