「視力低下」の障害




交通事故に合ってから、視力が低下する・物がゆがんで視えることがあります。

眼球への直接の外傷のほかに、脳の視覚野に障害が生じているケース、視神経に障害があるケース、心因的な事から発生しているケースなど、原因は様々にあります。


角膜が傷ついたことによる視力低下のケース


外傷性の視力低下の原因の多くは、角膜が傷ついたケースです。

角膜はレンズの役割をしており、例えるのならば『ガラスレンズに傷がついてしまったために、物が見づらくなっている』と言った感じです。


角膜自体の修復能力は高く、浅い傷であれば数時間~数日で自己再生します。

「目に砂が入って痛く、見づらい感じがしたけれども、数日で治った。」という様な経験はないでしょうか?

目は傷つきやすいのですが、物を見るのには角膜が露出している必要があるため、『まつ毛とまぶたでほこりを防ぎ、涙で異物を洗い流す』という保護機能があります。

それでも傷がつく可能性があるため、角膜は修復能力が旺盛なのです。


しかし、角膜が修復能力が旺盛でも深く傷ついてしまった場合には修復しきれないですし、修復をしたとしても変形してしまうことがあります。

その場合は、『傷があるレンズやゆがんだレンズを通して見ている』と言う状況であるため、視力低下や乱視を引き起こします。

自己治癒が期待できないため、傷ついた角膜の表面をレーシックやPRK・ラセック等の手術で除去したり、角膜移植などの方法がとられたりします。

 

視神経の欠損が関係するケース


また、視力低下には視神経が関係していることもあります。

視神経は、目と脳をつなぐ神経で、目が受けた電気信号を視覚として脳が処理をします。

角膜に入ってきた視覚情報に問題が無くとも、伝言役の視神経に問題がある場合には、脳にうまく信号が伝わらず、視力低下として症状が合われることがあります。

視神経に異常がある原因としては、『閃光など激しい光で、視神経が傷ついた』、『脳の浮腫などで視神経が圧迫されて、神経伝達がうまくいっていない』と言ったことが考えられます。

脳の異常による視力低下のケース


視神経の異常に関連して、受取手である脳の異常も考えられます。

角膜からの情報を正しく視神経が伝えても、脳に異常がある場合には、視力低下を引き起こすことがあります。

よく、「頭を打った際に、目がかすんだり、吐き気がしたりすることがあるけど、それは危険信号」と言われるのは、脳に異常があり目からの視覚情報を処理できておらず、目がかすんだり、視点が定まらず平衡感覚がくるって吐き気を催すことが原因です。

この場合、脳に深刻なダメージを負っている可能性が高いので、早急な治療が必要となってきます。

心因性の視力低下のケース


 もう1つの原因が心因性の物です。

心因性と言うのは、身体上には異常がないものの心の問題で目が見づらくなっているケースです。


人は大きなストレスがかかり過ぎると、自然とその情報をストップしようとします。

例えば、不快な音に対して、耳から入っているにもかかわらず、意識から外してしまうことがあると思います。

日常的には、工事の音とか、自動車が行きかう音、苦手な人の声など、知らず知らずに聞き流しているのも、こういった心理が働いているからです。


視覚でも同じ事が起こることがあります。

交通事故では、時として凄惨な事故現場となることがあります。

『自分が怪我をして大量の血が出た』、
『目の前で子供が交通事故で死亡した』
『事故の相手が大怪我を負った』
というような、目を覆うような惨状に遭遇した場合、『見たくない』と言った強い心的ストレスがかかり、目や脳に異常がなくても見るという行為にストップがかかるのです。


この場合は検査では、視覚関係の異常が見つからないため、医療的な治療の方法はなく、心理学的なアプローチでの治療が行われます。

日常生活への影響


人には、五感と言われる『視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚』の感覚機能があります。

五感はすべてが平均的に働いているのかと言うとそうではなく、覚醒している間はほとんどが視覚による情報に頼っています。

物の形や色・光の明るさ暗さ・物との距離・物の動き・平衡感覚・人の表情など、脳が視覚から得る情報は五感のうちの80%で、残りの20%が視覚以外の感覚から得た情報になります。

そのため、交通事故の後遺症により視力の低下が低下すると、視覚による情報が減ってしまうため、交通事故以前と比べて大きな支障が現れることがあります。

目にゴミが入ったり、目の病気で一時的に視力が低下して、不便に感じたことはどなたでもあると思います。

その状態が恒常的に起こるため、『小さな文字が見づらい』、『遠くがかすんで見える』、『距離感がつかめず、コップなどが一度でつかめない』『距離感を誤って、机やタンスにぶつかってしまう』、『全体的に霧がかかっているように見えて、はっきりと物が見えない。』といったことが起こります。

目が見えないというのはとても不便であるというのは、想像に難くないと思います。


視力低下による平衡感覚の失調

もう1つ大きな問題が、平衡感覚がくるってしまうことです。

平衡感覚は『自分の体がどのような体勢でいるか』と言うのを把握したうえで、転倒しないように体のバランスを取っています。

そのバランスを取るうえで重要な役割を担っているのが、三半規管と視覚です。

三半規管は、実際の体のバランスを監視している器官です。

例えば、『目をつぶったまま体を右に倒していった場合、「体が右に倒れて行っている」と感じるのは、三半規管の働きによるものです。

しかしながら、三半規管の働きは完璧ではなく、個人差や老化により狂いが生じています。


三半規管では補いきれない平衡感覚を修正するのが視覚情報になります。

身体の歪みをチェックする方法に、『眼をつむったまま、その場で30秒足踏み』と言うものがあります。

身体にゆがみがあればあるほど、その場で足踏みをしているつもりでも、だんだんとずれて行ってしまいます。

しかし、目を開けて行えばその場にとどまる事が出来るのは、視覚の情報から『ずれてきているので、調整しろ』と脳が判断して、足を踏む位置を微調整しだすのでずれることが無いのです。


車酔いや、最近では3D酔いと言われるものは、『三半規管は体が動いていないと判断しているのに、視覚では高速に動いたり、飛んだり跳ねたりしていて、脳がどちらの情報が正しいのか混乱してしまうからです。

結果的に平衡感覚がくるってしまい、頭痛や吐き気、身体の震えなど乗り物酔いの症状が起こってきます。


視力低下の場合には、視覚情報が大幅に減ってしまうため、『三半規管は体を動かしていると感じているのに、視覚はあまり変わらないので止まっていると判断して、その齟齬から吐き気等の不快感が起こるということがあります。


視力が回復するのが一番の解決方法ではあるのですが、薬物治療で完治をするようならばよいのですが、手術でなければ治らなかったり、根本的な治療法がなかったりする場合には、長期間または一生涯視力低下をかかえて生活をしていかなければなりません。

 

「視力低下に気づかない」という恐怖

交通事故のよる視力低下で恐ろしい点は、『視力低下に気付かないことがある』ということです。

視力低下には、交通事故で急激に視力が奪われるケースと、徐々に視力が落ちていくケースがあります。

急激に視力が落ちた場合には異常を感じることができますが、徐々に落ちて行った場合で特に患者が高齢者であった場合には、『最近物が見づらくなってきたけど、老眼かしら?』と思い込み、眼科に行っても医師があまり検査もせずに『患者の年齢からしたら老眼だな』と、安易に診断を下してしまうケースもあります。

交通事故後、日常生活で見え方に違和感を感じた場合には、眼科だけでなく脳神経科なども併せて精密検査を受けた方が良いでしょう。


「視力低下」の後遺障害認定について

視力低下に関する後遺障害等級については、視力検査の数値によるもので決まる事が大半です。

視力低下と関連して、視野狭窄やまぶたの欠損がありますが、それらも等級分けがあっ霧としており、他の身体部位と比べて比較的分かりやすい等級別と言えます。

視力低下とそれに関係する後遺障害認定の要件は、以下の通りになります。

第1級(自賠責保険金額3000万円)
・両目を失明したもの

第2級(自賠責保険金額2590万円)
・1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの
・両眼の視力が0.02以下になったもの

第3級(自賠責保険金額2219万円)
・1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの

第4級(自賠責保険金額1889万円)
・両目の視力が0.06以下になったもの

第5級(自賠責保険金額1574万円)
・1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの

第6級(自賠責保険金額1296万円)
・両目の視力が0.1以下になったもの

第7級(自賠責保険金額1051万円)
・1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの

第8級(自賠責保険金額819万円)
・1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下になったもの

第9級(自賠責保険金額616万円)
・両目の視力が0.6以下になったもの
・1目の視力が0.06以下になったもの
・両眼に半盲、視野狭窄または視野変状を残すもの
・両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

第10級(自賠責保険金額461万円)
・1眼の視力が0.1以下になったもの

第11級(自賠責保険金額331万円)
・両眼の眼球に著しい調整機能障害または運度障害を残すもの
・両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
・1眼のまぶたに著しい欠損を残すもの

第12級(自賠責保険金額224万円)
・1眼の眼球に著しい調整機能障害または運度障害を残すもの
・1眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの

第13級(自賠責保険金額139万円)
・1眼の視力が0.6以下になったもの
・1眼に半盲、視野狭窄または視野変状を残すもの
・両眼のまぶたの一部に欠損を残しまたは、まつげはげを残すもの

第14級(自賠責保険金額75万円)
・1眼のまぶたの一部に欠損を残しまたは、まつげはげを残すもの


「視力低下」の後遺障害の注意点

視力低下に関する後遺障害に関しての注意点は、交通事故以前の視力が鑑みられる点です。

例えば、両目の視力が0.02以下となった場合は、後遺障害等級第2級となりますが、実際に第2級の保険金額の2590万円が支払われるかと言うと、人により違ってきます。

もし、交通事故以前の視力が1.0ならば自賠責保険より最高2590万円が支払われますが、
もともと両目が0.1ならば最高1294万円となります。

両目が0.1と言うのは後遺障害等級第6級相当で、6級の自賠責保険の最高額は1296万円です。

そのため、『もともと第6級相当の障害があり、交通事故ので第2級となった』ということになるので2590万円-1296万円=1294万円が自賠責における最高金額となります。

つまり、交通事故以前のもともとの視力が悪ければ悪いほど、健常者の人と比べて悪化したとされる後遺障害等級の差が小さくなるため、自賠責保険の支払い上限額は少なくなるということになります。



弁護士に依頼するメリット


後遺障害認定されるか否で、後遺障害慰謝料が支払われるか変わってくるのですが、弁護士を通じて請求する場合には判例基準で請求するため、自賠責基準に比べると大幅に増額します。

自賠責基準だと慰謝料部分は
・第5級で599万円
・第7級で409万円
・第9級で245万円
・第12級で93万円
・第14級で32万円
です。

この一方で、判例基準ですと
・第5級で1400万円、
・第7級で1000万円
・第9級で690万円
・第12級で290万円
・第14級で110万円
なので、差は3倍近くなります。





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