骨折に関する後遺障害

交通事故では強い衝撃が身体にかかるため、交通事故の当事者が骨折をすることが多々あります。

歩行者の場合、重量のある自動車が速度を持って生身の体にぶつかるため、歩行者は大きな怪我を負いやすく、徐行運転の自動車との事故であっても骨折する可能性があります。

ヒザからスネは、交通事故で骨折が多いです

歩行者対自動車の交通事故では、通常自動車が歩行者をみつけた時に、急ブレーキを踏みます。

そうすると、慣性の法則と車体の構造上自動車の前が沈み込みます。

すると必然的にバンパーの位置も下に沈むため、最初に人と自動車が接触する時には、人の膝からすねの間にバンパーがぶつかることがほとんどです。

その後、人の体がボンネットなどの車体に打ち付けられる形になるので、足への衝撃が一番大きく足が骨折しやすいといえます。

事故の状況によっては、腕や腰・背骨・首と言った部分も骨折しやすいです。

一方で運転手など自動車に搭乗している側はどうかと言うと、近年では車体にエアバックが装着されていたり、シートベルトの着用率の上昇から骨折等の重傷を負うことは少なくなってきていますが、完全になくなるわけではありません。

シートベルトが未着用の場合、事故時にフロントガラスに強かに打ちつけられたり、時として車外に放り出されるといったこともあり、頭だけでなく全身の骨折も懸念されます。

また、シートベルトを着用していても骨折の危険性はあります。

衝突事故では車体が大きく押しつぶされることがあり、足が車体で押しつぶされるといったことがあります。

事故にあった際に急ブレーキをかけたため、シートベルトが身体に食い込んだり、エアバックが勢いよく体にぶつかったために、肋骨や腰骨を骨折したというものもあります。

特に高齢者や女性など骨粗しょう症の既往症がある場合には、軽い衝突事故でも骨折する可能性があります。

自動車の運転手であれば、衝突事故の際にフロントがへこみ、ゆがんだ車体に足がはさまれるということがあります。

単純骨折と複雑骨折では事情が異なります

骨折のした場合、単純骨折ならば安静にして骨が自然につながるまで待つことになりますが、複雑骨折の場合には手術が必要になってきます。

ボルトとプレートにより複雑骨折した骨同士をつなぎ合わせる方法もありますが、骨が細やかに骨折しすぎていたり、元の骨がボルトによる結合に耐えられる強度が無い場合には、人工骨や人工関節を手術にて埋め込むことになります。

ボルトやプレート・人工骨・人工関節も医療技術の進歩で性能は良くはなっていますが、体内に異物は入っているため違和感を覚える人も多いです。

日常的に痛みを訴えるほかに、雨や寒い時に骨折した部分が痛んだり、人工骨が入っても歩行が困難であるというケースも多々あります。

また、骨折により骨折部周辺の筋肉組織や神経組織が損傷して、痛みを感じることもあります。

一時的な損傷で自然治癒したのならば大きな問題となりませんが、筋肉の動きが疎外されるほど筋肉組織が損傷していた場合には、『骨折自身は完治したものの、足の筋肉の損傷で痛みが出て歩行が困難ということもあります。

もっと厄介なのが骨折が神経組織を損傷もしくは干渉している場合です。

骨折による神経の切断は、厄介です

骨折時に神経を傷つけてしまった場合、痛みや麻痺・常時足を触られているような感じがする等の感覚不全などの症状が出ます。

治療が進み神経組織が修復され回復すればよいのですが、回復する際にエラーが生じ神経症の後遺症が残る事もあります。

また、骨折による骨の変形などで神経が圧迫されたり、骨折が治る際に骨が神経を巻き込んでしまうといったケースでは、骨折自体が治っても痛みや麻痺が常時出るため、手術により骨を削って圧迫された神経を回復したり、骨を切断して神経を骨の外に取り出したりと言った処置がとられます。

日常生活への影響

日常生活で骨折した場合、一番困るのが『骨折自体には特効薬や特別の治療方法がない事』が挙げられます。

骨折が治るメカニズムとしては、血液により骨折した部分に酸素と栄養が運ばれ、『仮骨』と言われる軟骨ができます。

その軟骨は骨組織として本物の骨となっていくのですが、その際に古い不要の骨組織を破壊する『破骨細胞』と、新しい骨を作り出す『骨芽細胞』が盛んに働きだします。

そして、骨折をした骨同士が少しずつくっつき、最後は元に戻ります。

破骨細胞と骨芽細胞は、普段から身体じゅうの骨を破壊し再生しているのですが、加齢とともに働きが悪くなっていきます。

つまり、皮膚の切開の様に糸で閉じたり、患部に薬を塗ったりと言った直接の治療方法はなく、基本的には自然治癒待ちで、投薬も骨折による痛みどめと骨の再生を促すビタミンDやビタミンKが中心となります。

鎮痛剤は服用の方が効果が高いでしょう

骨折に湿布が処方される時がありますが、湿布は腫れ・むくみ・炎症などを抑える消炎効果しかなく、ロキソニンが配合されている物では鎮痛の効果もありますが、服薬の方が効果が高いといえます。

そのため、骨折した患者は患部を安静にするのが一番なのですが、足や腕、手など可動が多い部位を骨折してしまうと動きが疎外され、日常生活がしにくくなります。

特に足の骨折は歩行が出来ないことに加えて、立つことも出来ない場合もあります。

単純に歩行が困難であるのならば、車いすや杖などと言った歩行補助道具を使えば、ある程度の移動ができます。

しかし、立つことすらできないとなると、ベッドと車いす間の移動・排せつや着替えなどで少しの間立つことも出来ないため、日常的に介護が必要となります。

しかし、近年の医療傾向では『寝てばかりだと筋力が衰えるので、早い段階から動いてリハビリをする』と言うのがスタンダードで、手術をした翌日からリハビリが始まるということも少なくありません。

リハビリ治療が長期化する可能性があります

患者によっては「交通事故で負った骨折やけがよりも、リハビリの方が辛かった。」と言われることもあるくらいで、その反動から退院して自宅療養となった時に、まったく体を動かさなくなることがあります。

もちろん無理に体を動かすのは骨折や怪我をしている部分を悪化させてしまうのでよくないのですが、身体を動かさないでいると筋肉がやせ衰えたり、筋肉が硬直して動かなかったりします。

骨折をしてギブスをしたことがある経験がある方なら理解できると思いますが、ギブスをはめた当初はぴったりだったのに、ギブスを外すことになったらゆるくなり空間が出来ていたりするのは、筋肉が衰えて痩せたからです。

衰えた筋肉は筋肉トレーニングをすれば徐々に回復しますが、足などで左右の筋肉バランスが崩れている場合には姿勢がゆがみ歩行が困難となること以外にも、ゆがんだ姿勢のままで癖がついてしまい、『骨折が治っても姿勢はゆがんだまま』ということがあります。 骨折の副次的な後遺症に多いのが痛痒です。

骨折でプレートや人工骨を入れたため、その部分が痛んだり痒いような感覚があるということがありますが、骨折自体は治っているものの痛みや麻痺があるということがあります。

骨折をした際は骨だけがきれいに折れるのではなく、筋肉や神経組織・血管も傷がつきます。 場合によっては骨折した骨によって筋肉や神経組織・血管が傷つくことがあります。

そのため、骨折自体は治っていても、筋肉組織や神経・血管が回復時に異常をきたし、神経症を引き起こすことがあります。

この場合、レントゲンやMRIなどで異常をみつけることは困難で、医者の診断では完治しているにもかかわらず、患者は痛みを訴えるということがあり得ます。

このようなケースでは外科医ではなく神経科など、神経経路の専門医に精密検査をしてもらう方が良いでしょう。

 

骨折に関する後遺障害認定について

交通事故の骨折による後遺障害は、『どこの部位』を『どの程度骨折』もしくは『骨折により機能不全に陥ったか』で、後遺障害等級が大きく変わります。

単純骨折の場合骨がくっつけば回復するのですが、複雑骨折の場合はプレートやボルトを入れたり、関節部分ならば人工関節に変えなければいけません。

また、もとの骨がもろいということでプレートやボルト・人工関節が使用不可であったりした場合には、足であったのならば歩行が出来なくなったり、腕ならば動かすことができず用をなさないといった重篤なケースも考えられます。

また、骨折自体は完治しても、骨折が原因による神経症などの症状が残るケースもあります。

交通事故の受傷による骨折で障害が出た場合、後遺障害認定の要件は、細かく条件付けされています。

第1級(自賠責保険金額3000万円)
・両上肢の用を全廃したもの
・両下肢の用を全廃したもの

第2級(自賠責保険金額2590万円)
・両下肢を足関節以上で失ったもの

第5級(自賠責保険金額1574万円)
・一上肢の用を全廃したもの
・一下肢の用を全廃したもの
・両足の足指の全部を失つたもの

第6級(自賠責保険金額1296万円)
・一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
・一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの

第7級(自賠責保険金額1051万円)
・一上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの
・一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの

第8級(自賠責保険金額819万円)
・一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
・一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
・一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
・一上肢に偽関節を残すもの
・一下肢に偽関節を残すもの

第9級(自賠責保険金額616万円)
・一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
・一足の足指の全部の用を廃したもの

第10級(自賠責保険金額461万円)
・一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
・一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
・一足の第一の足指又は他の四の足指を失ったもの
・一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
・一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

第11級(自賠責保険金額331万円)
・脊柱に変形を残すもの
・一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの

第12級(自賠責保険金額224万円)
・鎖骨、胸骨、ろく骨、けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
・一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
・一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
・長管骨に変形を残すもの
・一手のひとさし指、なか指又はくすり指の用を廃したもの
・一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
・局部に頑固な神経症状を残すもの

第13級(自賠責保険金額139万円)
・一手のこ指の用を廃したもの
・一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
・一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
・一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの

第14級(自賠責保険金額75万円)
・一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
・一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
・局部に神経症状を残すもの (長管骨とは、大腿骨や脛骨など細長く、骨格において比較的大きな骨を指す)

神経症状の後遺障害は、争われることが多い

骨折の障害に関しては、目視やレントゲン・MRI・CTなどで確認が容易な場合には、後遺障害の認定で争われることは比較的少ないと言えます。

しかし、第12級の『局部に頑固な神経症状を残すもの』、第14級の『局部に神経症状を残すもの』と言った、神経症状に関する障害に関しては、骨折との因果関係が立証できないと認められないケースもあるため、後遺障害認定の手続きを取る際には注意が必要です。

後遺障害認定されるか否で、後遺障害慰謝料が支払われるか変わってくるのですが、弁護士を通じて請求する場合には判例基準で請求するため、自賠責基準に比べると大幅に増額します。

自賠責基準だと慰謝料部分は第1級で1100万円、第2級で958万円、第9級245万円・第11級で135万円ですが、判例基準ですと第1級で2800万円、第2級で2370万円、第9級690万円、第11級で420万円なので、差は3倍近くなります。


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