足の後遺障害について

交通事故により、足に受傷する割合はかなり多いです。

自動車の運転手であれば、衝突事故の際にフロントがへこみ、ゆがんだ車体に足がはさまれるということがあります。 自転車やバイクの運転中の事故で自動車との衝突であれば、自動車のバンパーが膝のあたりの高さであるため、一番衝突の衝撃を受けることがありますし、転倒後に足が地面に強く打ちつけられたり、時として転倒したバイクが足の上に載ったりして骨折や大きな怪我につながる事があります。

歩行者の場合、多くの自動車のバンパーの高さが膝の高さくらいである事が多く、
急ブレーキで自動車の車体が前のめりに沈んでも10㎝程度なので、すねのあたりに衝突することが多いです。

そのため、歩行者と自動車の交通事故の多くは、歩行者はまず自動車のバンパーと衝突してから、胴体なり腕なりのほかの場所が車体と衝突するため、足に打撲や骨折などの何らかの受傷をすることがほとんどです。 お足の障害は痛みや麻痺、歩行障害が上げられるのですが、受傷の大きさによって後遺障害の大きさも変わってきます。

『季節の変わり目で少し足が痛い』、
『普段は大丈夫だけど、走りすぎると足に違和感が出る』
といった軽微な後遺障害から、
『事故で足を切断された』、
『足の神経が切れて、まったく足が動かない』
、『足を複雑骨折してしまい、人工骨やボルトを入れたけれども、杖なしでは歩くどころか立つことすらできない』
と、生活に大きく影響を及ぼすものまであります。

多くの場合は打撲と骨折なのですが、交通事故により足が切断されたり、車体に挟まれて足が壊死していたりした場合には、足の切断手術が行われることがあります。

健常者がいきなり交通事故で足の切断となった場合、肉体的ダメージのほか精神的なダメージが大きいことが上げられます。

また、切断した後でも『あたかも足がまだあり、しかも足の痛みを感じる』という『幻肢痛』という症状が出ることがあります。

これは神経回路の異常から起こるとされており、痛いと感じる足は実際にはないため患部に鎮痛剤を投与するなどの治療が行えず、脳が痛みを感じるサインをブロックする薬や精神安定剤の投与がされます。

骨折も安静にしておれば元に戻る単純骨折のほかに、複雑骨折や粉砕骨折があり、骨が元に戻る事が難しい場合には、ボルトによる骨の結合や人工骨を埋め込むと言った手術をされることがあります。

ボルトや人工骨も医療技術の進歩で良くはなっていますが、体内に異物は入っている違和感を覚える人も多く、人工骨が入っても歩行が困難であるというケースも多々あります。

さらに厄介な障害は、関節に関する障害です。 足には大きく見て、股関節・ひざ関節・足首の関節があるのですが、どの関節の1つでも異常があると、歩く時に障害が現れるだけでなく、時として立つことすらできないこともあります。

股関節が骨折や筋肉の損傷が後遺症として残った場合、足の付け根のしびれや股関節が固定されたり、曲げたり延ばしたりした際に痛みが走ったりして、関節が動かなかったり動きがスムーズにいかなかったりするため、歩行だけでなく、『まっすぐ立つ』、『椅子に座る』と言った生活の基本となる姿勢が出来なくなることがあります。

特に膝はスポーツ選手や高齢者が膝を故障させることがあるため想像しやすいと思いますが、膝に障害が出た場合には歩行に大きな支障が出ます。

また、足の障害は打ち身や骨折と言った外傷によるものだけでなく、神経系統のものもあります。

運動神経が麻痺して足が動かなくなると言ったもののほかに、『足に針を刺されても痛みを感じない』、『足を触られてもわからない』、『足をお湯につけても温度を感じない』と言った、知覚障害があります。

日常生活への影響

交通事故の足の後遺障害で真っ先に思いつくのが、歩行障害だと思います。



実際に足の障害の大半は歩行障害にかかわる事なのですが、人により後遺障害の重さや症状、歩行障害が起こっている原因は千差万別です。

同じ歩行障害でも、両足を切断して義足生活の場合と杖を使えば歩行できる場合とでは、大きな差があります。


自分が歩けないと想像した場合、『家でトイレに行くのも一苦労』、『階段を上がることができない』といろいろと困難な場面を思い浮かべることができるでしょう。

しかし、実際に歩行困難となってから、『身体を少しずらすだけでも一苦労』、『小さな段差を超えられない』、『椅子に座っていても足に力が入らないので、まっすぐ座っているのが困難で、ひじ掛け付の椅子でないと滑り落ちてしまう』、『立ち上がる時に手すりか他の人の支えがないと無理』と、健康体の時には無意識で行っている動作の一つ一つが出来なくなっていることに気付かされて、愕然となる方が多いです。


歩行障害で、『歩けないけども、立つことは出来る』と言う人もいれば、『歩くことも立つこともできない』と言う人もいます。

そのため、立つことだけは出来るという人の中には、食事を作ったり洗濯をしたりと、『立ってできる作業』をする方もいますが、体のバランスを崩しやすいので転倒の危険性が高いです。


歩行障害のため、杖や車いす・義足を使っている方は、日々の手入れのほかに、定期的に買い替えをしなければいけません。

杖や車いす・義足はタイプ別に耐用年数が細かく分類されていて、杖で2年~4年、車いすで6年、義足で5年ほどですが、未成年は成長により短期間で体の大きさと合わなくなることもあるため、買い替えの頻度が上がります。


足に障害が出た場合、自動車運転免許所の更新が認められないことがあります。

足に障害がある方でも自動車免許の取得は可能ですが、交通事故前に健常者として取得した運転免許証とはまた別になるため、免許の取得講習を受ける必要があります。
また、自動車も専用の操作ができる特別車が必要となります。


足の障害の中には、麻痺や継続的な痛みと言う神経的なものもあります。

軽度の麻痺や痛みであれば、日常生活に大きな支障が無く、だんだんと麻痺や痛みに慣れてく
る『馴化』というものが起こり、あまり意識せずに生活が送れるものもあります。

しかし、強い麻痺や痛みであれば歩行のみならず日常生活すら満足に送れないこともあります。

原因が『神経切断によるもの』、『膝の関節の変形』などはっきりしているものならば、ある程度の治療方針のめどがつくのですが、レントゲン検査やMRI、CTなどの検査を行っても理由がはっきりとせず、本人からの愁訴のみである場合には、医師としても湿布や痛み止めの投薬と言った対処療法しか行えず、ひどい場合には本人からの愁訴を「大げさに言っているだけ」と、医師からも否定されてしまいます。

そのような場合、患者の方としては納得がいかず医師に対して不満や不信感を抱いたり、精密検査をすれば本来の原因が分かったのにもかかわらず、患者が治療をあきらめたりして、患者自身が不利益を被るということもあります。


また、身体を支える足の関節は非常に重要な関節なのですが、交通事故により関節に障害が起こると、関節が固くなって動きづらくなってしまい、歩くだけでなく立ったり座ったりという動作にも支障が出ることがあります。

特に膝関節は膝の骨折から悪化すると言ったほかに、単なる打撲からでも炎症が起こり悪化することもあり、『交通事故をした時はそうでもなかったけれども、リハビリをして膝に負荷がかかるようになってから、ひざが痛むようになった』ということもあるので、交通事故後の日常生活で足に違和感を感じたらすぐに診察を受ける必要があります。

足に関する後遺障害認定について


交通事故の足の後遺障害は、足の欠損と言う重篤なものから、軽い運動障害といった比較的軽度のものまで幅広くあります。

交通事故の受傷により足の障害が出た場合でも、足に対する後遺障害認定の要件は、細かく条件付けされています。
第1級(自賠責保険金額3000万円) ・両下肢をひざ関節以上で失ったもの ・両下肢の用を全廃したもの

第2級(自賠責保険金額2590万円) ・両下肢を足関節以上で失ったもの

第4級(自賠責保険金額1889万円) ・一下肢をひざ関節以上で失ったもの ・両足をリスフラン関節以上で失ったもの (リスフラン関節とは、足根中足関節と言われ、立方骨、内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨と5本の中足骨間にできる関節)

第5級(自賠責保険金額1574万円) ・一下肢を足関節以上で失ったもの ・一下肢の用を全廃したもの ・両足の足指の全部を失つたもの

第6級(自賠責保険金額1296万円) ・一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの

第7級(自賠責保険金額1051万円) ・一足をリスフラン関節以上で失ったもの ・一下肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの ・両足の足指の全部の用を廃したもの

第8級(自賠責保険金額819万円) ・一下肢を五センチメートル以上短縮したもの ・一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの ・一下肢に偽関節を残すもの ・一足の足指の全部を失ったもの

第9級(自賠責保険金額616万円) ・一足の第一の足指を含み二以上の足指を失ったもの ・一足の足指の全部の用を廃したもの

第10級(自賠責保険金額461万円) ・一下肢を三センチメートル以上短縮したもの ・一足の第一の足指又は他の四の足指を失ったもの ・一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの

第11級(自賠責保険金額331万円) ・一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの

第12級(自賠責保険金額224万円) ・一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの ・長管骨に変形を残すもの ・一足の第二の足指を失ったもの、第二の足指を含み二の足指を失ったもの又は第三の足指以下の三の足指を失ったもの ・一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの ・局部に頑固な神経症状を残すもの
(長管骨とは、大腿骨や脛骨など細長く、骨格において比較的大きな骨を指す)

第13級(自賠責保険金額139万円) ・一下肢を一センチメートル以上短縮したもの ・一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失ったもの ・一足の第二の足指の用を廃したもの、第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの

第14級(自賠責保険金額75万円) ・下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの ・一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの ・局部に神経症状を残すもの


足の障害に関して、切断や骨折など外傷性のもので、目視やレントゲン・MRI・CTなどで確認が容易な場合には、後遺障害の認定で争われることは比較的少ないと言えます。

しかし、第12級の『局部に頑固な神経症状を残すもの』、第14級の『局部に神経症状を残すもの』と言った、神経症状に関する障害に関しては、医師の診断書の内容によっては認められないケースもあるため、後遺障害認定の手続きを取る際には注意が必要です。

後遺障害認定されるか否で、後遺障害慰謝料が支払われるか変わってくるのですが、弁護士を通じて請求する場合には判例基準で請求するため、自賠責基準に比べると大幅に増額します。

自賠責基準だと慰謝料部分は第1級で1100万円、第2級で958万円、第4級で712万円、第9級245万円・第11級で135万円ですが、判例基準ですと第1級で2800万円、第2級で2370万円、第4級で1670万円、第9級690万円、第11級で420万円なので、差は3倍近くなります。


お電話をする前に必ずこちらをクリックしてください

お電話をする前に必ずこちらをクリックしてください

交通事故サイトからのご相談
お名前  *
 例)山田太郎
お電話  *
 *半角英数
メールアドレス  *
 *半角英数
弁護士費用特約が使えますか?
ご相談内容  *