初心者でもよくわかる「休業損害証明書」の書き方


自賠責に請求するときの「休業損害証明書」の書き方をご説明します。

東京海上の休業損害証明書の書き方の書式を例にとって説明したいと思います。

東京海上以外の保険会社の場合も、書き方は、ほとんど同じです。

注意点


休業損害証明書は、自分の勤務先である会社の方に書いてもらう書類です。
ですので、自分で勝手に書いて保険会社に出すのは、大変にまずい行為ですので、やめましょう。
PDFの1枚目と2枚目が休業損害証明書の書式です。

PDFの3枚目と4枚目が、記入例です。


勤務先に書類を提出するときには、4枚とも提出しておけば良いです。

最新の休業損害証明書は、カラーで印刷した方が書きやすいと思います。
ただし、白黒で印刷しても、とくに問題は無いです。
白黒印刷だからという理由で支払いを拒否されることは無いです。ご安心してください。

休業損害証明書は1枚で3カ月分

休業損害証明書は、1枚で3カ月分の休業を記載することができます。

休業損害証明書には枚数の制限はありません。
9カ月、会社を休業している場合には、休業損害証明書を3枚書いてもらえれば、9カ月分の休業損害を請求できることになります。


源泉徴収票も提出が必要です


休業損害証明書を出すときには、保険会社から、事故の前年分の源泉徴収票を要求されます。
事故の「前年分」であることに注意してください。


事故があった年の源泉徴収票では、ありません。なぜ、前年分の源泉徴収票が必要かというと、「事故が無い状態での、被害者の収入」を知る必要があるからです。


「事故が無い状態」と「事故によって収入が下がった状態」の差額が、本来で言うところの、休業損害だからです。


事故があった年の源泉徴収票だと、事故によって会社を休んだことによって、すでに収入が低下している状態の源泉徴収票となってしまいます。そのため、「事故が無い状態での、被害者の収入」にはならないのです。

したがって、やはり、事故の「前年分」の源泉徴収票が必要になるのです。

源泉徴収票が不要な場合


会社に入社した直後の場合


自分が会社に入社した直後に交通事故に遭って会社を休んだ場合には、その会社での源泉徴収票は、ありません。

1年以上、その会社で仕事をしないと、源泉徴収票を発行できないはずだからです。

ですので、そういうふうに、入社した直後に事故が発生した、という場合には、源泉徴収票を出されなくても良い場合があります。

存在しないものは、出しようがないからです。

困ったことだが、会社の方針で発行していない場合

普通の会社は、確定申告をするために、従業員に源泉徴収票を発行しているはずです。

ただ、「めんどうだから源泉徴収票を発行していない」という会社もあります。

建築、土木関係の会社のなかには、社長の個性によって、
「うちは、源泉徴収票なんて出してねえよ」
という会社があったりします。

こういう会社は、困ったものです。

こういう場合には、保険会社に、「もともと、うちの会社は源泉徴収票を発行してくれない会社です」という事情を説明して、理解してもらう必要があります。

ただ、それも、なかなか難しいところです。
源泉徴収票が発行できるのであれば、発行してもらった方が、話は進みやすいです。

「職種・氏名・採用日」の欄


職種・役職

職種といえば、たとえば、営業、事務、経理、総務、というような、仕事の種類のことをいいます。
ただ、この部分について、正社員、アルバイト、というように書く会社もあります。

空欄のままにしている事例も、よく見ます。

どのように書いても、職種の記載が下手だから休業損害を払わない、ということは無いです。

ただ、正社員とアルバイトの区別は、つけておいた方がいいようには思います。

 

採用日

採用日は、会社の方で、必ず知っています。
ですので、普通の会社なら、採用日は、問題なく書いてくれるはずです。

「仕事を休んだ期間」の欄



仕事を休んだ期間については、仕事を休んだ一番最初の日と、最後の日を書きます。

まず、今回のケガによって、一番最初に仕事を休んだ日を書きます。

たとえば、事故が2017年6月15日に発生して、その結果、仕事を2017年6月20日に休んだのであれば、「2017年6月20日」と書きます。

仕事を休んだ最後の日については、「この3カ月の間において、仕事を休んだ最後の日」を書きます。

休業損害証明書には、3カ月分の休業しか書く欄が無いからです。

なお、「4カ月休業した場合には、どう書いたらいいのですか?」という場合には、まず、最初の3カ月の休業については、1枚目の休業損害証明書に休業した日を書いてください。

そして、残りの1カ月分については、2枚目の休業損害証明書に書いてください。

「休業の内訳」の欄



休業期間については、その休業の詳しい内容を書くことが必要です。
欠勤なのか、有給休暇を使用したのか、遅刻や早退なのか、半日欠勤、半日有給休暇を使用なのか、ということです。

欠勤というのは、会社を1日全部休んで、その日の給料について、会社が支払いをしないという場合のことを言います。

有給休暇を使用した場合には、会社を1日全部休んだけれども、給料は支払われる場合です。その代わり、有給休暇が1日分消化されたことになります。

この場合も「有給休暇を1日分使う損害が発生した」ということになりますので、休業損害が払われます。

「時間有給休暇・遅刻・早退」

ケガのために、仕事の開始時間に遅れた場合が「遅刻」となります。

病院に行くために、自宅から病院に直行し、病院で治療を受けたあとに仕事場に出勤する場合も「遅刻」あつかいとなります。
「遅刻」した時間分、給料が不支給となります。

「早退」は、仕事場には開始時刻どおりに出勤したが、病院で治療を受けるために定時よりも早く退勤する場合です。
「早退」した時間分、給料が不支給となります。

「時間有給休暇」は、「遅刻」「早退」の時間分だけ有給休暇を使用するために、給料が支給される場合です。
この場合も、給料は支給されていますが、「有給休暇が時間分減少した」 という損害が発生しているので、その損害を請求しているということです。

なお、「時間有給休暇」「遅刻」早退」については、具体的に、その日に何時間休んだのか、ということを、休業損害証明書の2枚目に書くことになっています。

 

「半日欠勤」「半日有給休暇」は、ケガのための病院への通院のために、午前中だけ仕事を休んだ場合や、午後だけ仕事を休んだ場合です。

給料が不支給となった場合が「半日欠勤」であり、有給休暇を使用して、給料は支給される場合が「半日有給休暇」となります。

「仕事を休んだ日」の欄


よく使うのは、欠勤の○、有給休暇の◎、勤務先の所定休日の×、遅刻早退などの△、です。

所定休日の×の日は、もともと休みの日ですから、当然、休業損害の請求は、できません。

△の場合には、2枚目の書式に、休んだ時間を書く必要があります。

半日欠勤、半日有給休暇、という記号は、実務では、ほとんど使いません。
半日休んだ場合でも、△で処理していることが多いです。

「給与の支給・不支給」の欄


有給休暇を除いた欠勤分について、給料を支給したか、していないか、ということを書く欄です。

有給休暇は除いているわけですから、普通は、この欄は「全額支給しなかった」ということになるはずです。

 

計算根拠記入欄

給料について「一部支給した」あるいは「一部減給した」という場合には、その給料の金額についての計算根拠を書くことになります。


「3カ月の月例給与」の欄


この欄には、事故が発生する前3カ月の給与の実績を書きます。
考え方としては、事故前3カ月の給与の実績が、一応、被害者の労働能力だとするわけです。
被害者の労働能力をもとにして、1日あたりの休業損害の金額を決めたり、1時間あたりの休業損害の金額を決めているのです。

 

「事故による休業がない直近3カ月間の月例給与」というタイトルは、ずいぶんと、まわりくどい表現のようにも思えます。

ただ、たしかに、弁護士から見ると
「ああ、なるほど、たしかに、それは正確なタイトルだなあ」
と思うところがあります。

休業損害というものは、もともと、「事故前の給料」と「事故後の給料」を比較して、事故によって減少した給料分を支払うというものなのです。

そうすると、「事故前の給料」の金額に、事故によって給料が減少している期間の給料が含まれると、正確な比較ができないことになるのです。

具体例で、この点を説明しましょう。

事故が4月10日に発生したとします。

そして、会社の給料の締め日が毎月20日だったとします。

そうすると、「事故による休業がない直近3カ月」というと、
前年12月21日から3月20日までの3カ月
の給与金額を書くことになります。

もし、ここで
1月21日から4月20日までの3カ月
の給与金額を書くと、少々困ったことになります。

というのは、事故が4月10日に発生したわけですから、4月10日から4月20日までの期間は「事故による休業が発生している期間」ということになってしまいます。

そうすると、「事故前の労働能力」の金額を出したいところなのに、事故による休業が発生している期間の金額が入ってきてしまうことになるからです。

「本給」と「付加給」

「本給」とは、被害者が支給を受けている給料の本来の金額です。

「付加給」とは、残業手当、通勤手当、皆勤手当など、本来の給料に追加して支給を受けている金額です。

休業損害を考えるときには、被害者の労働能力は「本給」+「付加給」の金額だとされています。

つまり、上記の例をもとにすると、2017年3月から5月に支給を受けた14万6250円全額が、被害者の労働能力ということになります。


休業損害の具体的な金額を書く欄は無い

この休業損害証明書には、休業した日数とか、休業した時間については、書く欄があります。
しかしながら、その一方で、「休業損害の金額が何円になるのか?」ということについては、書かれていません。

たしかに、休業損害の金額が何円なのか?ということは、法的な判断が必要になってくるので、それを、勤務先の会社が計算して書くということは、難しいということで、休業損害証明書には書かれないことになっています。

休業損害の金額は、休業損害証明書をもとにして、保険会社と被害者が話し合いのうえで決めることになります。



休業損害の計算方法は?

休業損害の計算方法には、3カ月の給料総額を稼働日数で割り算をするという方法と、3カ月の給料総額を3カ月間全部の日数で割り算をするという方法の2種類があります。

稼働日数というのは、「実際に働いた日数」のことです。

たとえば、通常の会社でしたら、土日・祝日は休みのはずですから、土日祝日は、稼働日数には入れないのが正しいはずです。

どこに違いがでるかというと、1日あたりの休業損害の金額に差が出ることになります。

まず、稼働日数で割り算をする場合
上記の例でいうと、
総支給額146250円÷30日=4875円
となります。
1日あたりの労働の評価は4875円となるわけです。

一方、3カ月全部の日数で割り算をする場合には、こうなります。
総支給額146250円÷90日=1625円
1日あたりの労働の評価は1625円となるわけです。

パート、アルバイトの場合には、3カ月全部の日数(90日程度)と、実際に働いた稼働日数の違いが大きいので、どちらの計算方法を採用するかによって、1日あたりの労働の評価が大きく変わってきます。

本来、正しいのは、稼働日数で割り算をする計算方法だと思います。

ただ、一方で、保険会社が計算してくることが多いのは、3カ月全部の日数(90日程度)で割り算をする方法です。



3カ月全部の日数(90日程度)で割り算をする方法だと、被害者にとっては、休業損害の金額が少なくなることが多いと思います。

ただ、正社員の場合ですと、もともと、3カ月で66日働いていることが多いので、90日で割り算する場合でも、大きな違いはなかったりします。

もっとも、パート、アルバイトの場合には、稼働日数で割り算するか、90日で割り算するかで、1日あたりの休業損害の金額が大きく変わっています。その場合には、積極的に、主張するべきでしょう。

「会社の社名、押印の欄」の欄


手書きをする必要は無く、社名の入ったゴム印でOKです。 押印の欄は、いわゆる角印(認め印)でOKです。

 



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